映画製作者ドン・シンプソン&ジェリー・ブラッカイマー

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原題:Coyote Ugly
コヨーテ・アグリー

ストーリー

21歳になったばっかりのヴァイオレット・サンフォードは生まれ育ったニュージャージー州の田舎町から、橋一つ越えただけの大都会ニューヨークへと旅立とうとしていた。彼女の夢はソングライターになること。それは幼い頃に亡くなった母の夢でもあったのだ。父のビルに見送られ、母の形見のギターと書き始めた曲が詰まったダンボール箱とわずかな身の回りの品を期待と不安と一緒に親友にグローリアの車に載せる。口では強がりを言いながらも娘のことが心配でたまらないビルに最後の別れを告げ、車はニュージャージを後にした。

夢の第一歩は、イーストサイドのオンボロアパート。その悲惨さに呆れ果てたグローリアは別れ際に彼女の非常用の貯金をカンパしてくれる。涙ぐみながらヴァイオレットを抱きしめるグローリア。彼女の中で一瞬、夢を追うことの出来ない自分への諦めと、夢を追いつづけるヴァイオレットへの羨望が複雑に交差するが、最後は笑顔で親友にエールを送り、平凡だが優しいフィアンセが待つニュージャージーへと帰ってゆくのだった。

翌日からヴァイオレットは意気揚揚と売り込みを開始。だがレコード会社の受け付けから先には進めず、郵送したデモテープは続々と返却されてくる。業界人が集まると評判のクラブでチャンスを待つが、バーテンダーに音楽界の大物だと紹介されたケヴィン・オドネルにデモテープを渡すと、実は彼はそのクラブのコックだった。恥をかかされ傷ついたヴァイオレットはテープを取り戻すのも忘れてクラブから逃げ出す。所持金も底をつき、ヴァイオレットは途方にくれて深夜営業のカフェに入る。そこは明け方だというのに活気に満ち溢れた若い女達がいた。驚いた事に、ラジオから流れる曲に合わせて彼女達は突然見事な踊りを披露し騒ぎが人段落すると札を取り出して「今日の稼ぎ」を山分けし始めた。「売春婦」かしら?と疑うが、カフェのマスターから、彼女たちは近所のバー「コヨーテ・アグリー」で働くバーテンダーだと聞き、ヴァイオレットは興味を引かれる。

開店前の「コヨーテ・アグリー」を訪ねると、そこには意志が強そうな女リルがいた。この店のオーナーである彼女は「働きたい」とおずおずと申し出るヴァイオレットに一番店が混む金曜の夜11時に店に来るよう指示する。金曜の夜がやってきた。ヴァイオレットが「コヨーテ・アグリー」の扉を開けると、そこは別世界。狭い店内にひしめき合う熱狂的な客達。彼らをエクスタシーへと導くのは、バー・カウンターの上でのアクロバティックなダンス・パフォーマンスを繰り広げる女性バーテンダー達だ。男達の視線をはねつける挑戦的なダンス。カウンターに流されたウォッカに火が放たれ、炎の上をダイナミックなステップが舞う。刺激を求めて集まる客達には期待を遥かに超える最高のエクスタシーが与えられ、無礼な客には遠慮なく氷がぶちまけられる。呆気にとられて立ち尽くすヴァイオレットを、オーナーのリルは無理やりステージに上げようとする。だが、ヴァイオレットは自分は踊れないというと、リルはじゃあ帰りなさい、と冷たく言われる。だが客のケンカを見事に収めたヴァイオレットに、リルはもう一度チャンスを与えることにする。

店のスタッフは皆セクシーでタフな若い女達。若くして女手一つで店を持ったオーナーのリル、弁護士を目指すゾーイ、少々気の荒いモデル志望のレイチェル、そして女優志望の浮気物キャミー。ゾーイは夢を実現し、法律学校へ進学するために、店を辞めたところで、ヴァイオレットはその後釜というわけだ。仕事上のルールは、客とデートをしない、恋人をつれこまないの二つ。出される酒はストレートのみで、水で割るのもお断り。彼らは酒を飲むのではなく、他では絶対手に入らない刺激を得るためにここにやってくるのだ。失敗を繰り返しながらも、ヴァイオレットは少しずつ自分のペースを取り戻していく。ダンスは無理だが、ボルトを小粋に回しながらグラスに注ぐ術も、客あしらいも上達した。そんなある日、前に業界人と勘違いしたケヴィンが、ヴァイオレット目当てで店にやってくる。彼女のデモテープに惹かれ、ヴァイオレット自身にも興味を持ったという。この国での成功を夢見てオーストラリアからやってきたケヴィンは、いくつもの仕事を掛け持ちし、いつかチャンスがくるのを待っていた。その情熱に自分を重ね合わせ、ヴァイオレットもまた彼に惹かれて行く。毎晩がお祭り騒ぎの「コヨーテ・アグリー」だが、その日はかなりオーバーヒート気味だった。酔っ払った客の一人が踊るキャミーをバー・カウンターから引きずりだしたのがきっかけで、店内は収拾がつかなくなってしまう。暴動寸前の店内にリルは、ヴァイオレットに歌うよう命令する。BGMに合わせてヴァイオレットが歌いはじめると、その歌声に魅了されて客達の騒ぎはおさまり、ヴァイオレットもまた歌う喜びをかみしめる。歌うコヨーテの誕生に湧きかえる彼らは、新聞記者がヴァイオレットをカメラに捕らえる瞬間のフラッシュにも気づかなかった。

その新聞記事は、ニュージャージーで娘の身を案じるビルの目のも触れることになる。大胆なファッションでバーの男達の熱い視線にさらされるヴァイオレット・・・父親の信頼を裏切ったと怒る彼は、ただのバーだと言う娘の言葉にも耳を貸そうとしなかった。いつしかこの店は都会で一人で暮らすヴァイオレットにとって、このバーは家のような存在になっていた。気のおけない仲間達に囲まれた刺激と興奮に満ちた日々。でも夢やここになにを目的にやってきたのかと、悩みはじめる。その頃、ヴァイオレットを巡って店の客とケヴィンがケンカとなる。恋人を店に連れ込まない、というルールを破ったヴァイオレットをリルはクビにする。ケヴィンとも疎遠になり、全てを失ったヴァイオレットは久しぶりにギターを手に取る。様々な思いが詩とメロディーになって溢れ出す。

ヴァイオレットは再びデモテープを送り始める。そのほとんどは返却されてきたが、今度は諦めるわけにはいかなかった。やがて一本の電話が掛かってくるのだった・・・・・